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Interview
Donna per PELLICO

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INTERVIEW Ucaさん

INTERVIEW Ucaさん

「知性漂うシンプルなコーディネートを着こなす彼女は、ファッションデザイナーのUcaさん。東京のアパレルブランドで働きながら、休日はイラストレーターとして活動。“好き”の基準が明確がゆえの“二足のわらじ”。それぞれの仕事をイメージした、二足のPELLICOにも注目です。

デザイナーとして働くうちに再確認、イラストの魅力

ファッションデザイナーになるまでの歩み、尊敬する上司とのエピソード、やりがいetc.…いきいきと語ってくださった前編。後編では、もうひとつの顔、イラストレーターとしての活動について―――。

「デザイナーとイラストレーター、どちらの仕事も実はすごく影響し合っているんですよ」。そう言い切って、今回も明るく話し出す。

というのも、イラストの魅力に改めて気づかせてくれたのは、デザイナーとして日々描く、デザイン画だったのだそう。

        



「今の会社に就職して衝撃を受けたのは、前編でも紹介した上司が描くデザイン画。それまでの私のデザイン画は、専門学生時代のクセが残る、現実離れした絵だったんです。ウエストがキューッと細い、20等身くらいの(笑)。でも、上司の絵は、とにかく服がリアル! シャープペンシルで描いたモノクロの絵なのですが、生地の風合いや仕様が商品にめちゃくちゃ近い。初めて見たとき、衝撃を受けたと同時にキュンとしました。

そもそも、私たちが描くデザイン画をもとにパタンナーが製図するので、とても重要な工程。デザイナーによってタッチがバラバラだとレングス感などがわからないので、チーフデザイナーのタッチに揃えられるよう、練習、練習、練習。ボタンホールの向きや間隔まで、細かく指導してもらい、今ではどれが上司の絵で、どれが私の絵かわからないくらいだと、パタンナーに言ってもらえるほどになりました」。

リアルな等身バランスのデザイン画のおもしろさに目覚めたUcaさんは、プライベートで描く絵のタッチも変わっていったという。

「イラストのタッチも、年齢を重ねたり、仕事で経験を積んだりするうちに変化していて、それを自分自身も楽しんでいます」。



ファッションもイラストも“シンプル”を追究して

学生の頃と比べて変化したのは、ファッションもしかり。

「専門学生のときから古着が大好き。でもその選び方はだいぶ変化しています。あの頃は“THE 古着”という感じの個性的なものを、今はシンプルできれいめなものを選ぶようになりました。

このグレーのジャケットは、70年代のクリスチャン・ディオールのもので、渋谷にあるお気に入りのショップで掘り出しました。古いものだけれど、生地の良さや丁寧な縫製はさすが。程よく肩パッドが入っていてアウターがわりにもなるので、カジュアルなスタイルの日に重宝しています。

やはり作りのいいものは、時を経ても廃れない。これからも大切に着ていくつもりです」。

Ucaさんは、ファッションもイラストも、シンプルなものこそ、本質が問われることを知っている。



何でも描ける人にはならない、と決めている


「本業のデザイン画をきっかけに、プライベートでは、海外のスナップを参考にイラストを描くようになりました。

ある日、友人の誕生日に似顔絵をプレゼントしたんです。そうしたら、とても喜んでくれて。その友人の勧めもあり、イラスト専用のインスタグラムのアカウントを作ることに。ただ、ある程度の一貫性をもって描きたかったので、自分が一番やりたいスナップに専念することに決めました。“好き”でスタートしているからこそ、何でも描けますよ、というスタンスはとりたくなかったから」。



普段履かないヒール靴や非日常の景色が教えてくれること


「何でも描ける人にはならない」―――。一見、挑戦的ではあるものの、その潔い決断こそがイラストレーターとしての道を大きく切り拓いた。雑誌の仕事だ。

「デザイナーの仕事でもお世話になっている編集者の方が、『洋服や小物のリアルなディテールを表現したイラストで、雑誌の企画を盛り上げてもらえないか』と声をかけてくださったんです。雑誌の仕事をすることが、イラストレーターとしての目標のひとつだったので、『もちろんです!』と即答しました」。その女性誌への掲載を皮切りに、今や各媒体からひっぱりだこ。

そんな彼女の“今したいこと”や“今後の展望”とは―――。

「非日常の環境に身を委ねること。例えば、普段履かないヒール靴を履いてみる。PELLICOの新作MILENAは、太いヒールや足の指に沿うような滑らかなスクエアトゥで、フラット派の私でも歩きやすいから、カジュアルなコーディネートにもすんなり馴染みそう。あとは、ひとり旅。日常を離れて、温泉に入って、ビールやおいしいものをいただいて、描いて…なんて想像するだけで最高! 気持ちに余裕があると、線の一本一本にもちゃんとそれがにじみ出るんですよ」。

「デザイナーの仕事は自分から生み出すのに対し、イラストの仕事はオファーありき。“好き”の幅が狭い私にとっては、オファーをいただくことで新しい挑戦や提案ができるので、デザイナー業にも生かされる。どちらの“好き”も大切に育んで行きたいです」。

ユカ/Uca

1991年生まれ、大阪府出身。服飾系専門学校を卒業後、アパレル企業にデザイナー職として就職。2年目で、“ものづくり”に一から携わることができるブランドへの転職を機に上京。デザイナーとして7年目を迎えつつ、一昨年からはファッション系イラストレーターとして活動。女性誌や企業との取り組み実績も多数。

Instagram : @uca_fashionillust

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