“ くびれとエッジ ” に惹かれる彼女の、妄想をキッカケに生まれる作品たち
Interview
the HEELS
"WOOD"
木工

INTERVIEW 森夏未さん /木工作家

___ものづくりをスタートしたのはいつでしょうか?
小さい頃から工作が好きで、いつも何かを作り続けている子どもでした。 中学生の時にはお菓子作りにハマり、パティシエに憧れたことも。けれど作るのは好きですが、甘いものを食べることは好きではなかったので(笑)…諦めました。 大学時代に学んでいたのは、建築。建築はインテリアから幅広く学ぶカリキュラムがあったのですが、私はインテリアの方が好きだなと その時に思ったんです。 そこで家具を作ろうと思い立ち、実際に家具が完成した時にはこれが好きだと実感が湧いたのを覚えています。 一度就職もしたのですが、ものづくりへの欲求や思いを諦めきれず、木工の技術専門学校に通うことに。卒業後は家具製作会社にも勤めました。 けれど、どこかに属するのではなく、自分自身でーから作るということを始めないと、本当に好きなものを作ることはできないと改めて実感することに。 けれど、結婚や出産などプライベートの変化が続く中、なかなか踏み切る機会がなく、タイミングを図りながらもものづくりから離れていました。

___ そういった模索する時期を経て、動き出したきっかけとは?

___なぜ木工だったのでしょうか?

___森さんだからこそのこだわりを教えてください。

___今回“ヒール"をモチーフに作品を作る時、どう構築しましたか?
私らしいヒールと考えた時、ケーキスタンドの支柱をベースにはしたいと思いました。支柱やスピンドル部分は、女性の体の曲線を意識した形状にしています。
けれど、やっばり自分が今まで全く作ったことないデザインも作ってみたいとも思い、とにかくたくさん試作を作りながら思案する日々。
“くびれとエッジ"をベースにしながらも、カラトパのような風になびいているような有機的かつ骨っぽいデザインや、イタリアのマンマをイメージしたふくよかなデザインなど、様々な角度から PELLICOとヒールについてイメージを膨らませ、試作を重ねていきました。そうした中で少しずつ絞っていき、ケーキスタンドの支柱をイメージした形状と、繊細でシャープな形状の2つに。どちらも鉄染めしていますが、グラデーションに染まっている方は地面に向かって色が染まっていくようなイメージです。まだまだ今後も羽衣していくことをイメージし、エネルギーを吸っているような力強さを表現できたんじゃないかなと思っています。私は作品を作る時、試作期間中にいったん寝かせる時間を作るんです。試作して、一度離れて寝かせてみる。そうしてまた新たな視点で見直す。それによってスムーズに進んでいくことが多いので。寝かせ、戻り見直す、を繰り返しながらこの2つのヒールに絞られました。
NATSUMI MORI/森夏未/木工作家 もりなつみ・兵庫県神戸市出身。大学で建築や芸術を学ぶ。企業勤務後、上松技術専門学校木工科へ入学。家具づくりを学んだ後、家具製造会社を経て婦郷。2019年、木工作家として活動を開始。 Instagram : @natsumi_mori__ |
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