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Atelier PELLICO

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  • デザインや履き心地を決めるのは
    ベースとなる“木型”

    デザイナーのルカ・パンパニンは靴づくりに人生を捧げてきました。なかでも特に注力しているのが、木型。「靴を作るということは、私にとってこの世にまだ存在していないものを創造するというアートなのです」とルカが言うように、芸術で重要視される1mmの世界を重んじる精神が、木型づくりにも反映されているのです。毎シーズン、ルカ本人が削り上げる数種類のプロトタイプの木型は、女性たちの意見を取り入れながら、数ミリ単位の微差にまでこだわります。そうして、何度も、削り直しては試し、を繰り返すのです。なぜ、そこまで木型に力を入れるのか−−。それは、木型こそ靴の原点であり、その良し悪しによって、デザインの方向性や履き心地が左右されるからに他ありません。

  • 木型それぞれには
    “性格”がある

    ペリーコの靴は、木型それぞれがキャラクターを持っています。例えば、「ANDREA(アンドレア)」は、控えめなくびれ、やや広めのワイズと縦長のシルエットにすっきりとした上品さがあり、シーンを問わないオールラウンダー。「CORA(コラ)」は、よりシャープにとがったトゥと浅いサイドラインにより、モダンでセクシーな印象。そして、「MODE(モード)」は、立体感のあるソフトスクエアトゥと長めの鼻先で、ぐっと洗練された大人のムードが漂って…。同じポインテッドトゥの木型でも、モデルによって役割を持たせているのです。それは、履く人がシーンや会う人に合わせて、自分が纏う空気を着替えられるように…。そんな小粋な計らいでもあるのです。

  • ヒールの細さや形で
    佇まいの美しさはより鮮やかに

    合わせるヒールもまた、それぞれの木型にいちばん相性のよいものを選んでいます。アーモンドトゥが優しげな表情の「TAXI(タキシー)」には、くびれのある細ヒールで上気するような色気を。さらに丸みのあるトゥが愛らしい「LOLA(ローラ)」には、シャープなストレートヒールでキリッとした凛々しさを添えて。そんなふうに、木型とヒールのバランスを考え抜き、唯一無二のシルエットが生まれるのです。靴の核となる木型とヒールが固まれば、そこからはルカが思い描く色彩豊かなイメージを乗せていくだけ…。「ひときわ洗練され、ファッショナブルで、心地よさを求める現代的な女性に選んでほしい」。そんな思いを一足一足に込めながら、今日もイタリアの小さなファクトリーでは愛情溢れる伝統の靴づくりが続けられています。

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