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Interview
Donna per PELLICO

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凛とした佇まい、艶っぽい仕草、そして太陽のような笑顔。女性を魅せるスタイリングはもちろん、自然体で飾らない人柄も魅力の大草直子さん。そんな大草さんが履いているのは、フラットのANELLIとQUILTのパンプス。女性のリアルなファッションの潮流をつくる大草さんが考える、“いま”と“これから”。

Naoko Okusa大草直子さん

  • 新たなスタイルが見つかった“いま”が楽しい

    「なんて自分の服に馴染んでくれる靴なんだろう」
    それが大草さんのPELLICOの第一印象。

    ステージが変わったいま、大草さんのスタイルにも変化が訪れます。

    「年齢を重ねて自分という素材が変わってくると、信じていたスタイルに見放されるときがきます。私自身トライ&エラーを繰り返してわかったのは、年齢を重ねて甘く優しくなった分、シャープなモード感がしっくりくるということ。新たなスタイルが見つかり、着たいものが着られる“いま”が一番楽しいです」

  • 今日着ているワンピースは、新しいスタイルを模索している時期に出会ったもの。

    「クラシックなワンピースに、艶っぽく大人の余裕を感じさせる ANELLIを合わせたスタイルは、シーンを選びません。実は饒舌な色であるネイビーも、大好きな色のひとつです」

    子どもの保護者会のあと、編集部に戻って打ち合わせ、取材に出かけ、夜はレセプション。1日にさまざまなシーンがあるという大草さん。

    「そういう日は必ずフラットのパンプスで、パテントのポインテッドと決めています。ポインテッドはボトムスを選ばないので、シーンを超えることができます。いまの私にとって、なくてはならない一足です」

  • 素直な心で、できるだけ笑っていよう

    佇まいが美しく、イキイキと活躍する大草さん。その源にあるものはなんでしょうか。

    「外見については、正直あまり意識はしていません。爪先や肌のツヤ感には注意を払っていますが、それよりもいろいろなことに対して常に素直でいたい。年齢を重ねると頑固になりがちだけれど、私は人に褒められたら素直に喜ぶようにしています。なんといっても素直の直子ですから。あとはできるだけ笑っていようかな」

    そう笑う大草さんの笑顔は、まるで太陽のようにあたたかい。

    「20代前半まで、自分の価値を探し続けた人生でした。人を羨んでネガティブになることもありましたが、いまの仕事に出会えて、がんばったことで仕事が返してくれた。ジェラスを捨てて、世の中のルールや人が決めた枠の中で物事を考えるのをやめると、すごく自由になれます。自分を自由にしてあげられるのは、自分しかいないんですね。ネガティブなことを口に出すのをやめ、代わりに自分の好きなところをほめる。全部を好きになるのは難しいので、背中とか指先とか、ほめる部分は細かくていいんです」

  • もっと手を放して、もっと自由でいい

    「ファッションも同じ。これしか似合わないとか定番だからと思わないで、いったん手放して、自由になってみるといいですよね。私も最近ボーイフレンドデニムを手放して、エッジィな要素が入ったデニムを履くようになりました。そのデニムに合わせたQUILTのパンプスは、トラディッショナルとモードが混在している感じがユニークで、これからの私のスタイルに寄り添ってくれそうな一足。そして絶対的にいまの気分なのが、このトマト色。洋服で色を取り入れるのに躊躇する方は、靴で取り入れるなどして自分の枠を外してみては」

    そもそも大草さんが編集者になったのも、ファッションが好きであるのと同時に、とにかく伝えたい、誰かに知ってもらいたいという気持ちが強かったからだと言います。

    「SNSを見て、私の洋服をマネしてくださることはもちろん嬉しいですが、もっと自由にオシャレを楽しんでいいんだというマインドみたいなところも感じとっていただけたらと思っています」

  • “これから”も、私は開拓者でいたい

    〈Be Free〉それが大草さんのモットーであり、日々発信していること。

    「常にいまの自分の年齢のファッションをやりたいです。私はスタイリング世代なので、いろいろなところからピックアップして、自由にファッションを楽しんできました。そんな私たちが45歳を過ぎたときのオシャレってどうなっていくんだろうと考えます。おそらく好きなものは変わらないけれど、急にミセスゾーンに追いやられても困る。私の中でまだその答えはないのですが、いつか提案できればと思っています」

    常に新しいことにチャレンジし続ける大草さんにプレッシャーはありません。

    「石がゴロゴロ転がっていて、裸足では歩けないような荒地が好き。私は開拓者でいたいんです。新しい道を切り拓いて成功したら自分も嬉しいし、クライアントも消費者も喜ぶ。だから、絶対に成功させようと思いますね。そこに向けてのシビアさ、筋道を考えて努力することは当然です」

    そんな大草さんがスタイルとして憧れるのはキャサリン・ヘップバーン。

    「自分軸があり、自由で大胆な感じが好き。とにかく、自分の枠や限界といったしがらみを手放すことが大事です。心の健康は佇まいに出てくるものだから……」

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