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INTERVIEW 岡西佑奈さん

INTERVIEW 岡西佑奈さん

幼い頃から書道に親しみ、現在は書家としてだけでなく、アーティストとしても独自のキャリアを歩み始めている岡西佑奈さん。控えめながら芯の強さを感じさせるしなやかで美しい、そして力強い一線は、人々の感覚を沸き立たせ、揺さぶる。書の枠を超え、作品をアートの領域に昇華させた彼女は、どんな思いを大切に創作活動を続けているのか。その素顔に迫る。

ありの儘でいるきっかけになった、書との出会い

「書の世界に足を踏み入れたのは、6歳のときでした」と、撮影を終えたばかりの岡西さんは話を始めた。

「私立の小学校へ進学した私は人見知りな性格もあって、なかなか新しい友達となじめませんでした。そのことを心配した母親が、それまで仲良くしていた幼稚園の友達に会えるようにと、みんなが通っている書道教室の習い事を勧めてくれたんです」

きっかけは偶然に導かれたものでありながら、白と黒が織りなす書の世界にのめり込むまでに、時間はかからなかったという。そして、高校在学中に師範の免許を取得。順風満帆に思えた書家への道だったが、大学進学を機に、書道から離れた生活を送るようになる。

「当時は書家になろうという気持ちもなかったですし、習い事としての書道が終わり、師匠の死も重なって筆を置いてしまったんです」

そこから書道には一切触れていなかった彼女が、書家としてやっていこうと思った理由は何だったのだろう。

「ちょうど大学生活も終わりに近づいた頃、知人が家に遊びに来たときでした。冷蔵庫に貼ってあった私の書を見て、とても褒めてくれて。久しぶりに書道の道具を取り出し、それが夜の9時くらいだったのですが、明け方までひたらすら書き続けました。そのときに、雷に打たれたような感覚があったんです。閉じ込めていた感情が湧き上がり、私はずっと書道がやりたかったんだということに気づきました。そして、その朝に書家になろうと決意しました」

直感のおもむくままに、我が道を歩み始めた岡西さん。まっすぐな瞳からは、意志の強さと可能性に満ちた未来への熱い思いが感じ取れる。作品づくりや日常において、大切にしていることを尋ねると、「自分らしく、ありの儘でいること」という答えが返ってきた。

「作品にもあるのですが、『儘(まま)』という言葉が一番好きな言葉です。人偏に上が筆で、下が皿という字で、皿の中を筆で空っぽにするという成り立ちがあるそうです。無になっていく行為が『儘』であるならば、あるが儘、ありの儘とは、頭に浮かぶ雑念を取り払い、自分を取り繕うことなく、素でいることなのではないかと思うのです。幼い頃から人見知りで、人前に出ると本来の自分を出せずにいた私に母が、『あなたはあなたのままでいいのよ』と言い続けてくれたことも大きいですね」

コンプレックスを補ってくれる、確かな一足を選ぶ

巨大な紙の上に、たっぷりと墨を含ませた筆を走らせる。ダイナミックな書道パフォーマンスを行う姿も凛々しいが、カメラの前に立つ清らかで澄んだ佇まいも、心洗われる思いがする。そして、海を愛する彼女にとってブルーは、もっともお気に入りのカラー。

「ネイビーがもたらしてくれる、女らしく優しげな雰囲気が好きです。このシューズは、発色の良い美しいネイビーが印象的。身長が153cmと低いので、シューズはそれをできるだけ補ってくれる一足を選ぶようにしていますね。ヒールがあるだけでなく、シュッとした印象のポインテッドトゥであることも重要なポイントです」

オフのときは、カジュアルなスタイルが多いという岡西さん。「デニムに合わせるペリーコも好き」だそうで、このスリングバックシューズなら、デニムに程よい抜け感をプラスしてくれるに違いない。

後編は3月10日(水)公開

新素材をあしらったANELLI FIBBIA(アネッリ フィッビア)が登場。岡西さんの自分軸を保つ秘訣や今後の展望も必見です。どうぞ、お楽しみに。
(衣装:ARLNATA)

岡西佑奈/Yuuna Okanishi

6歳から書を始め、栃木春光に師事。高校在学中に師範の免許を取得。水墨画は関澤玉誠に師事。書家として文字に命を吹き込み、独自のリズム感や心象を表現。近年では、書のみならず墨象や絵画を手掛け、国内外で個展を展開。中国天津美術館所蔵の作品や東大寺大仏殿でのライブパフォーマンスも話題に。現在、ISETAN SALONE ART WALLにて展覧会「ゆらぎのなかで」を開催中。

Instagram : @yuunaokanishi

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