彼女はいつも美しい。けれど、その美しさは一様ではない。会うたびに新しい印象をまとっていて、世の女性の視線を惹きつける美容家の神崎恵さん。成熟した女性から薫り立つ色気、少女のようにピュアな瑞々しさ、ふとした瞬間に見せる少年のような無邪気な一面。その奥行きはどのようにして生まれるのか、彼女らしいセンスあふれる言葉で紡いでくれた。
Interview
Donna per PELLICO
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INTERVIEW 神崎恵さん
美人に見せることより、自分の楽しみを優先したい
柔らかな日差しが心地よい春の日。爽やかなセットアップを身にまとい、カメラの前に立つ神崎さん。軽やかな山吹色のアイカラーが、視線を移すたびに華やかな存在感をふりまく。
「上品で洗練された靴にジャケットという合わせの中で、色もベージュで落ち着いていて。ハンサムなセットアップだからコンサバなメイクで仕上げてもいいのかなと思ったのですが、グリーンのニットがアクセントになっていたので、ここ数年トレンドが続いている山吹色を目元に足してみました。そうすることで、大人の余裕みたいなものが出るというか、ファッションを楽しんでいる感が生まれるかなって。美人に見せる必要はないという余裕、それよりも自分の好きや楽しみを優先させているような。そういう色合わせをしている女性を見ると、素直にかっこいいなと思うんです」
コンサバ過ぎず、モードにもなり過ぎずに、女性らしいニュアンスで着こなしたスタイリング。そこに、ミニマルなセミスクエアトゥが美しい新作シューズ“DAMA（ダマ）”がすっと馴染む。大人な余韻を残した独特のムードは、まさに女性が憧れる女性の佇まい。
神崎さんが定番としているのは8cm以上のヒールシューズ。「自分の身体の一部です」と言うほど、毎日のように履く理由は？
「ヒールを履くのは主に仕事に出かけるとき。戦闘態勢じゃないですけれど、そうならないといけない場面もあるんですね。そんな中で、スイッチを入れてくれるのがヒールの靴。背筋がピンと伸び、佇まいも思考も引き締まり、背中を押してくれるような感じがするんです。あと、ヒールを履いたときに見える景色の変化や歩いているときの音も好き。ヒールのカツカツという音を聞くと、忘れてしまっていた女性である自分を楽しむ感覚を思い出させてくれます」
脚を美しく見せるのは、「高さ」ではなく「位置」
近年はボディメイクも話題の彼女に、ヒール靴と脚の関係性について尋ねると、「高さより位置がポイント」という答えが返ってきた。
「ヒールの付いている位置によって、脚のラインやふくらはぎの盛り上がる筋肉の立体感が変わります。ヒールが内側に入っていると重心がバランスよく乗って、立ち姿勢も美しくなると感じています」
“美容を伝える”という軸を持ちながら、モデルやドラマ出演、アパレルブランドとの商品開発など、多岐にわたる分野で活躍する神崎さん。仕事をするうえで、大切にしていることは？
「今日が楽しくなるような、明日が楽しいかもしれないと思えるようなことを共有していきたい、それは全部に共通しますね。大人になるとワクワクがどこかに行ってしまって、『今日もやっと終わった』『また明日が始まる』と、１個１個の思考回路が色褪せていくような気がします。その日の満足や明日にどれだけ期待できるかは、自分の気持ち次第だと思うので、『やれそう』『楽しそう』とライトな気持ちで捉えてもらえるようなお伝えの仕方をしていきたいです」
後編は4月28日（水）公開
新作のツイストミュールで体現する、神崎さんのファッションルールをご紹介。外見も内面も美しくいるための秘訣も必見です。どうぞ、お楽しみに。神崎恵/Megumi Kanzaki
1975年神奈川県生まれ。3人の息子をもつ母。一人ひとりにカスタマイズしたメイクや生き方を提案するアトリエ『mnuit』を主宰しながら、『MAQUIA』『美的』『VoCE』など美容誌を中心に毎月数多くの雑誌、イベントなどで活躍中。自ら試し、本当にいいと実感できるものだけをすすめるスタイルが世代を問わず支持されており、Instagramのフォロワー数は56万人を超える。
Instagram : ＠megumi_kanzaki
