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Interview
Donna per PELLICO

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INTERVIEW 富岡佳子さん

INTERVIEW 富岡佳子さん

モデルとして、女性として、ますます輝き続ける富岡佳子さん。誠実な姿勢で、基本をシンプルに続けていく。富岡さんが語るこだわりは、PELLICOが大切にしているクラフツマンシップに通じることでもある。カバーモデルを長年務め、時代が求める女性像を切り拓いてきた彼女が、今なにを感じ、どんな想いを大切にしたいのか、インタビューで紐解く。

私が探し求めていた、パーフェクトなパイソン

「無地の服が多いなかで、唯一好きな柄物がパイソン。甘さがないところが好みです」と、その柔らかな話し方の奥から感じるのは、歳を重ねてゆくなかで培われた揺るぎないスタイルと確かな審美眼。話し方ひとつとっても、センスの良さがうかがえる。

「パイソンは好きな柄だけに、ブーツ問わず通年チェックしているアイテムなのですが、リアルすぎたり、安っぽく見えたり、なかなかピンとくるものに出合えなくて。このブーツは立体感のある表情や柄のコントラストが絶妙で、私にとってパーフェクトに近い一足。ベージュがベースなのも、私のワードローブに多いグレーやベージュ、オフ白の服とも馴染みます。今季なら、こっくりとしたブラウンの服と合わせてワントーンでコーディネートするのも素敵ですね」

シンプルな服を1枚1枚、丁寧に組み合わせることで自身のスタイルをつくり上げるように、彼女の生き方もまた、毎日の基本的な心がけの積み重ねで成り立っている。

「なにが起きても対応できるように、常に8分目の気持ちで、普段の生活を穏やかに過ごしています。30代前半に、仕事と子育てを両立しようとして、キャパシティーオーバーしたことがあって……。自分の余裕のなさから子どもを叱ってしまったり、周りの人たちに気を遣わせたりすることが嫌で、満タンにしない工夫をしないといけないと気づきました。モデルというお仕事をさせていただくなかで、私たちが生み出す写真は一瞬を切り撮るものだからこそ、120%の力を発揮できるように自分の中身はきちんと整えておきたいです」

スタイルを確立するに必要なのは、知識と経験

多くの女性から支持されるファッションにも、信念を感じさせる仕事にも、大人の女性ならではの余裕が漂う富岡さん。素敵に歳を重ねる秘訣は、「無理をしないこと」と断言する。

「しんどかったらやめればいい。自分が心地よければそれでいい。40代半ばを過ぎてから、考え方がシンプルに、より主体的になりました。そう思えるようになったのは、積み重ねてきた知識と経験があるから。知識と経験が増えるほど決断力が高まって、自分の直感を信じて行動することができます。本を読んだり、映画を観たり、基本的なことですけれど、意識してインプットする時間をもたないと偏ってしまう。美味しいものを食べるだけでもいいですし、自分に優しくなれる時間をもつことが大事だと思います」


後編は11月11日(水)公開
今年らしいカラーのショートブーツとともに、スタイルを更新し続ける富岡さんの今後に迫ります。どうぞ、お楽しみに。

富岡佳子/Yoshiko Tomioka

1969年、大阪府生まれ。短大時代にモデルとしてデビュー。数々の女性ファッション誌や広告、テレビ番組等で活躍。現在は集英社『éclat』のカバーモデルを務める。

Instagram : @yoshikotomioka

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